登山装備から 2.5 年。いつかやりたいと思いつつ、ずるずると先延ばしになってきた登山に、初挑戦するときが来たのだ。
ちなみに、 泉ヶ岳冬キャン-登山風味 前夜 もやったが……あれはキャンプ。ただの冬キャン。
ルート選択
10 月は週末ごとに芋煮会やら BBQ やら飲み会やらが設定されていた。
「何てすばらしい月なんだ。ブラヴォ。でも飲み会続くのはカンベンしてくれと何度言ったら……」
という私に時代が気を使ってくれたのか、芋煮会が雨で中止になってしまった。
そうなると途端にやることがなくなってしまうわけで、雨の中外出する気にもなれず、何とはなしに目が覚め、何とはなしに掃除していたところ、友人から Skype がかかってきた。この間ヘッドセットを買って登録したのだよ。
「――そういや、り災証明持ってればフェリー半額になるって知ってた?」
「マジで? フェリーというと北海道か、いいな。遊ぶところがいっぱいあるからな。こっちはまだり災証明下りねーよw」
「こっちは結構早かったが。だが確かに北海道はいい。有休取れたら逝ってくるわ」
「やけに簡単に決めるwww」
案外あっさり有休が取れてしまったので、フェリーを予約した。今回は車ごと上陸するつもりである。
さて、フェリーは 1 等寝台の空きがなかったため、 S 寝台、もしくは A 寝台になった。つーか、大部屋は大嫌いなんだが。両方とも一応仕切られてはいるものの、プライバシーは期待しない方がいいだろう。寒空の中、スカイデッキで星でも観てるかな。
問題は、北海道に行って何をするかだ。釣り、キャンプ、登山、観光という名の水曜どうでしょうごっこ (212市町村)。色々迷った挙句、登山に挑戦することにした。最近体が鈍ってきたから、気合入れたい。
となれば、次は山の選出だ。フェリーは苫小牧に上陸するため、そこから近く、景色のいい山、トムラウシを選択した。
トムラウシは 2009 年の夏、低体温症でツアー客が大量に亡くなり、ニュースになった山だ。特にそこでなければダメと言うこともないのだが、苫小牧からそれなりの距離で行けて、温泉に入れるところが良かった。また、形から入る私としては、 2,000m 級の山に魅力を感じたのもポイントだった。
というわけで、それらの条件で調べみると、旭岳、十勝岳、トムラウシがでてきた。その中で風景が良さそうなところがトムラウシだったのだ。
山が決まれば、次にやるべきことは情報の入手だった。
私はトレッキング経験すらなく、等高線の地図を見て、この点線は何だろうと思うようなド素人である ( 登山ルートだった )。情報がないと本気で遭難しかねない。
トムラウシのコースについて
まず、トムラウシという山について調べてみた。
- 標高 2,141 m
- 大雪山系
- 奥深い山で、登山に時間がかかる → 1 泊でそれなりにのんびりやる
- 花が咲き乱れる → 時期的に遅いだろう
- ナキウサギ → いいね
- 日本屈指の名ルート → なかなか
- 夏でも 10 ℃以下になる → 11 月は時期的に冬山装備
- トムラウシ山頂の北にある北沼より北側は、チングルマやエゾノツガザクラなどが咲く日本庭園
- トムラウシ山頂の南西にある南沼は、イワヒゲ、エゾコザクラ、コマクサなどが咲く
- 南沼の南側は、エゾノハクサンイチゲなどが咲くトムラウシ公園
時期的に -5 ℃とかになることもあるらしいので、冬キャンに持っていった冬山装備で挑むことになるだろう。冬キャン経験があるので、正直、防寒・防水対策は万全だと思っている。
さて、ルートとなると、基本的には次の 2 つだ。
- トムラウシ温泉に泊まって、短縮コースから 9km 歩いてトムラウシを目指すコース
- 天人峡温泉に泊まって、 16 km 歩いてトムラウシを目指すコース
1 は、苫小牧港から車で道東に向かい、その後北上してトムラウシ温泉へ。そしてトムラウシの南側からアタック(笑) する方法だ。
2 は、苫小牧港から車で道央に向い、その後東へ向かって天人峡温泉へ。登山はトムラウシの西側からアクセスする。
今回は、最終日のフェリーの搭乗手続きが 17 時と決まっているので、 1 のルートしか取れない。何故なら、 2 を選ぶと、下山に 10 時間、車の移動時間で 4.5 時間、片付け等に 1 時間程度かかるとして、逆算すると、夜中 1:30 に出発しないと間に合わなくなる計算だからだ。
いやいや無理だろw
というわけで、ほぼ 1 択で「短縮コース~トムラウシ」のコースに決定。
短縮コース~トムラウシ~日本庭園
トムラウシのすぐ北に位置する北沼から、天沼までの区間に、日本庭園と呼ばれる美しい風景があるらしい。今回の目標は、日本庭園を写真に収めるのを目的としたい。
もちろん、そこに行くつくまでの美しい風景を収めつつ、最終目標としての日本庭園だ。目標を立てておかないと、根性なしの私は南沼指定キャンプ場で「もういいや」となってしまうのが目に見えている。
カシミール3D の国土地理院地図から適当なサイズの画像データを取り込み、ポイントポイントに高度やら目印を打ち込んだのが以下の図である。
登山道はあるし、この地図も高度計もコンパスも持参するから迷い様がないはずだ。
スノーシューを履いて、道なき道を分け入った 泉ヶ岳冬キャン-登山風味 本編 (黒鼻山) とは訳が違う。
これで迷ったら人間をやめようと思う。たぶん、退化した何かになる。死んでなければ。