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望遠レンズ購入と三脚について2

雲台選び

望遠レンズを購入したことで、三脚についての見直しが必要になってきた。

本当はやらなくてもいいのかもしれないが、正確な写真を撮るためには必要なことだから、手を抜いてはいけないように思う。

お品書き

  1. 望遠レンズ購入と三脚について
  2. 望遠レンズ購入と三脚について2 (いまここ)

SLIK PRO700DX III の雲台外し

本命の三脚は SLIK PRO700DX III の輸入棚ずれ品とかいうやつを使っている。もしかしたら SLIK PRO700DX かもしれないが、製品名などどうでもいい。要は正しく使えさえすれば良いのだ。

重さは 3.6 kg くらい。とにかく重くて大きいので、撮影シーンが限られる。星景などには絶大な安心感があるので必ず持っていくが、普段の撮影では軽くて小さい King FOTOPRO カーボン三脚 PGC-484F の出番が多い。

PRO700DX があまりにも重すぎて、以前、雲台を交換しようと目論んだことがある。だが、うまく外すことができなかった。三脚と雲台は外れはするのだが、三脚の穴が独特過ぎて、普通の雲台がはまらなかったのだ。そのときは SLIK 独自規格かと勘違いして諦めてしまった。

センターポールだけ交換できれば望みはあるので、部品を探し回りもしたが、なかった。

先日、諦めきれずにもう一度チャレンジしてみた。そしたら、別の雲台がつけられた。どうやら三脚と雲台の間にあるプレートが、雲台側にがっちりはまりすぎていたようなのだ。

銀色のプレートは雲台と三脚を取り持つためパーツだった。正確に言えば、1/4 <=> 3/8 変換アダプターのパーツだった。

じゃあこのゴムはなんだと力を込めて動かしてみたらあっさり外れた。

つまり、ゴムはねじの変換アダプタを保護するためのパーツであって、独自規格でもなんでもなかったわけだ。

まったくあふぉである。よく観察しろって。観察と考察こそがすべての基本だろう。

だがまあ、これで雲台を変更することができるようになった(強がり)。

これまではまだ現状維持という可能性もあったのだが、視野狭窄を起こして雲台を購入しなければならないという強迫観念に囚われた。

3WAY の雲台を探す

今回購入した 70-200mm f/2.8 のレンズは重さが 1.5 kg もある。このレンズにカメラ D610 を合わせたら 2.4 kg 弱だ。

レンズに三脚座がついているとはいえ、小型三脚 PGC-484F に付属してきた自由雲台では性能的に心もとないのも事実だ。

だったら PRO700DX を持ち出せばいいのだが、前述のとおり重すぎる。何が重いといって付属の 3WAY 雲台が 1 kg もある。ならばこれを持ち運びやすいよう軽い雲台にしてしまえばいいのではないか、というのが今回の趣旨である。

いつも前ふりナゲーよ。

三脚の世界では大は小を兼ねる。大きな三脚は小型のデジカメから中判サイズのデジタル一眼まで対応できるが、小さな三脚には重いカメラは載せられない。載るかもしれないが、頭でっかちになり
バランスが悪くなる。最悪は転倒だ。死にたくなる。

雲台についても同じことが言える。だから基本的には、持てる最大サイズの三脚、雲台を持っていればすべてにおいて事足りる。

だが、すでに重くて大きい「大」は持っているのである。だから今回狙うのは中型 5 kg 程度に対応した軽い 3WAY 雲台である。

条件の一つとして、クイックシューはついていて欲しい。クイックシューはガタついてぶれを誘発するので嫌いという人も多いが、カメラバッグから出したカメラをパッとセットできるメリットは捨てがたい。

さまざまなメーカーと製品を比較。三脚が SLIK なので、雲台まで SLIK でそろえるのが美しいという結論になる。

性能的には SLIK SH-806N だ。搭載荷重が 5 kg まで対応して、自重が 670 g だ。今持っているやつより少し軽くなる。一つだけ気に入らないのはクイックシューがついてないということだ。

旧製品に SLIK SH-806E という、クイックシューつきの、搭載荷重 7 kg 、自重 700 g の雲台があった。しかも 3 千円ほど安い。ほぼ同じ性能と見ていいだろう。なら買う方は決まっている。

問題は、旧製品が店頭からは消え去っているので、ケンコートキナーのオンラインショップで注文する必要があるということだ。ヨドバシのポイントが使えないのでまた散財である。

三脚の水平取り

PRO700DX III は安いだけあって、三脚自体で水平を出す機能がついていない。雲台側に水準器がついているので、カメラ自体で水平を出すことは容易だ。だが、三脚が水平にならない。

例えばパノラマ撮影をしようと思ったら、水平方向にカメラを回したら構図から Z 軸(重力の軸) および水平方向までずれて、合成に苦労することになる。

そういう場合はどうにかして三脚自体で水平を取る必要がある。だが、それが至難の業だ。エレベーターで垂直を取ればいいんです(ドヤ)という人もいるが、それがかなり難しい。

エレベーターに沿って 0 時方向、 3 時方向に糸を垂らす。糸はエレベーターから 2 ~ 3 cm 離す。糸の先にはおもりがついていて、無風かつ重力異常を起こしていなければ、糸は必ず垂直になる。この糸からエレベーターが等間隔になるように三脚を調整すれば、三脚自体の水平が取れる。

それは分かる。理解できるが、撮影時にそんなことをしている時間的余裕はたぶんない。

物干し竿用の丸い洗濯バサミに糸を取りつけて、エレベーターの垂直を取ろうとしたこともあったが、いちいち三脚から距離を取って確認し、だめなら微調整を繰り返しで時間がかかる。

三脚のどこかに自作した水準器をつけるという方法も考えたが、精度に問題がありそうでやめた。

建築用レーザーでエレベーターの垂直を測定することまで考えた。しかし、水準器つきの三脚を買った方が早いし安いし機能的だ。

第一、三脚の足を一本動かすだけで垂直と水平の 2 軸が狂うから調整がめんどくさい。調整を簡単にしようと思ったら、水平を取った雲台の上にさらに 3WAY 雲台を載せるという間抜けな運用方法になる。

結局のところ、雲台だけで水平を取って、パノラマは諦めるという結論に落ち着つかざるを得なかった。だが、最近になって、三脚と雲台の間にレベリングユニットを挟めばいいことに気が付いた。

SLIK レベリングユニット2 はそれ自体は少しだけ傾くような円盤状の物体だ。傾きを決めたら固定できる。三脚である程度の水平を取り、レベリングユニットの水準器で水平を取って固定すれば、完璧な水平の基礎になる。

あとは雲台でも垂直・水平を取りパノラマ撮影をすればずれないという寸法だ。最大搭載重量は 10 kg。これは買うしかなかった。こちらはヨドバシで購入した。

レベリングユニットと雲台の取り付け

2 日くらいで部品がそろった。さっそく SLIK PRO700DX から雲台を外し、まずはレベリングユニット 2 を取り付ける。

最初にレベリングユニットの LOCK 機構を反時計回りに回して緩めておく。次に、ねじ変換アダプタをレベリングユニットに取り付ける。ギア状のパーツを締め付けることで、レベリングユニットにパーツが固定される。

次にレベリングユニットを時計回りに回して、センターポールにがっちりと固定する。 LOCK 機構を緩めたのは、センターポールに固定するときに LOCK 機構がきつく締まって固着するのを回避するためだ。

レベリングユニットとセンターポールはなるべくきつく固定する。カメラの水平を調整しているときに、いちいちレベリングユニットの緩みを気にするのはうっとおしいので、ここは鬼のようにきつく締めておく。

次に雲台をセットする。

こちらもできるかぎりきつく締めたい。だが下手に雲台の上の方を持って時計回りに締めたりすると、レベリングユニットの LOCK に負荷がかかって壊れるかも。なるべく根元を持って締めることにする。

全部くっつけると以下のようになる。

背が高くなったので、収納性が悪くなっている。しかもレベリングユニットが 200 g あるので、 SH-806E の 700 g と合わせて、 100 g しか軽量化されていない。おいおい、どういうことだよ……

まてまて、ここは考え方を変えよう。

PRO700DX には元からあった雲台をつけよう。携帯性は悪くなったが、パノラマ撮影の付加価値がついたと思えばいい。

SH-806E は PGC-484F の自由雲台を取り外して、付け替える。重量は 1.7 kg と重くなったが、水平が取りやすくなったので、これはこれで悪くない選択だ。

そう思うことにした。

SH-806E を使ってみて

家内の温情でページェントの撮影ができることになった。 2 時間程度だったが、久しぶりの撮影はなかなか楽しめた。

SH-806 系はコマ締めという固定方法を使っているため、構図あわせがとても楽だった。今までは雲台のねじを固定すると、カメラの重みで構図がずれていたりしたが、 SH-806E ではそれがなかった。 D610 + NIKKOR 58mm f/1.4G の軽量ユニット程度ではびくともしない。

クイックシューは雲台にがっちり固定できるので、私程度の使い方ではぶれもないだろう。

使用感としてはかなり満足できた。

とはいいつつ PGC-484F が重くなってしまったのが気になる。 SLIK の自由雲台 PBH-425 が欲しくなったが、自重しよう……

いつぞやの記事で、雲台と三脚を別々に買う人の気持ちが分からないと言ったが、今では分かるようになってしまったw

趣味の世界はキリがないんだということも(汗

Updated: 2015/12/25 金曜日 — 9:13:39

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