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望遠レンズ購入と三脚について

レンズシステムへの一歩

20 ヶ月前にフルサイズの NIKON D610 を購入して以来、 NIKKOR 58mm f/1.4G のレンズ 1 本で撮影してきたが、ここに来てついに別のレンズを購入することにした。

子供ができると、風景よりも「なんとか会」で撮影することの方が多くなる。そんな時 58mm では明らかに足りない。これは言い訳ではない。違うんだ! 撮った画がそれを証明している。ほら、望遠じゃないから撮影対象がこんなに小さくなるでしょう?

お品書き

  1. 望遠レンズ購入と三脚について (いまここ)
  2. 望遠レンズ購入と三脚について2

AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

今使っている NIKKOR 58mm f/1.4G はノクト・ニッコールの思想を受け継いだレンズだ。ノクト = nacht = 夜である。つまり、夜景や星景にこそ本領を発揮するレンズだ。サジタルコマフレアを補正して高い点像再現性を実現したと謳っているだけあって、 F4 あたりまで絞れば、画面の周辺部まで、星などの点光源が見事なまでに美しい点となって映し出される。

ちなみにサジタルコマフレアがどういうものかというと、画面の隅の方の光源が、鳥が羽を広げたような光に変形して写ることだ。昔はそれが分からなくて、星景写真の端っこの方にある変な形の光を見て、なんじゃこりゃと悩んだこともあった。このレンズではそれがない。あったとしても、極々小さなゆがみで済んでいるし、 F4 まで絞れば大丈夫。

大きな光ほどサジタルコマフレアは目立つので、星々の小さな光源くらいなら F2.8 でも大丈夫かなと考えつつ、たまに金星やらの大きな光が写ってしまうことがあるので、星景であっても F4 まで絞るのがいいかと考えている。

レンズ自体は F1.4 という明るさを持つため、いざというときにシャッタースピードが稼げて撮影条件が広がるのもいい。 F2.8 あたりでシャッタースピードは 10 秒、 ISO 感度を 1600 まで上げて撮影すれば、山々の稜線を背景に、美しい夜空が撮れそうだ(設定は妄想です)。

赤道義を 1.0 倍にして 30 秒くらいで撮れば、星々を点にとどめて背景は少しぶれる感じになる。 0.7 倍 30 秒で撮れば、星々の光は少し間延びするものの、背景のぶれもそれほどではなく ( なるべく近距離に撮影対象を入れない感じで )、という写真が撮れる。

赤道義を併用すれば F2.8 / SS 10 秒 で美しい星景を撮れるのではないかと妄想しているが、試せそうな余裕は今のところない。正月に期待か。

58mm f/1.4G はポートレートでも活躍する。というよりも今ではメインの使い方になっている。ポートレートレンズである NIKKOR 85mm f/1.4 にはかなわないのだろうが、なかなかどうして。ときおりハッとする写真が撮れる。いや、上手い人が映せばいつでもいい写真になるのだろうが、なんせ撃つのは素人である。だが下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。これがフルサイズの魔力か。

標準 58mm なので風景用途だと物足りないが、最近は自然と戯れていないので、暇ができるまで広角レンズは後回しだと自分に言い聞かせている。

先日はケンコー・トキナーのデジタル接写リングセットを購入したので、指輪についた石などのマクロ撮影すらできるようになった。

重量 385g と軽く、今後もメインで使っていくであろうレンズ。

望遠レンズ選び

必要条件は室内での撮影、 200mm 程度の望遠、なるべく控えめな値段。

これらを満たすレンズは NIKKOR には NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II しかない(言いすぎ)。

NIKKOR 200mm f/4 とか 300mm f/4 は単焦点で好みだが、 F4 と暗い。室内だと厳しいだろう。

70-200mm f/4 というレンズもあるが、やはり暗い。山に持っていく 1 本ということなら軽いズームは悪くない選択肢だが、今回の使用目的には合わなかった。

なら 200mm f/2 とか 300mm f/2.8 にすればいいだろとアオる人もいるだろうが、金額的に論外。ムリムリ。

というわけで、明るさと金額のバランスを考えたら大三元レンズの望遠ズームを選ぶしかなかった。もちろん清水の舞台から飛び降りている。

ズームの葛藤

レンズ購入の際、金額以外で戸惑ったのはズームである点だ。何が問題かって、私はズームレンズが嫌いなのだ。単焦点よりも明るさで負け、画で負け、そのくせ重くて金額が高い。どこがいいのか? 1 本のレンズで単焦点レンズ何本分もの焦点距離がカバーできること?

写真は 3 次元の光景を 2 次元に圧縮したもの。人間が 2 つのレンズで立体的に見ている光景を 1 枚の平面で表現しようとしたものだ。

単焦点レンズが優れているのは、さまざまな収差を補正しているからだ。空間のゆがみ、色のにじみ、またはずれなど。それらのレンズ収差を、メーカーは技術の粋を凝らして補正している。

ズームも同じことが言える。ワイド側(広角)からテレ側(望遠)まで、さまざまなズーム域でなるべく収差が発生しないように補正しているとは言え、単焦点ですら完全な補正は不可能なものを、ズームレンズでやれるわけがない。

だったらズームレンズよりも厳選した 2 本の単焦点レンズの方がいいのでは? その方が味がある写真が撮れる、と思う。

だが本当に嫌なことは別にある。それは、左手のズーム操作で、足を動かさずして構図を決めてしまえる便利さだ。

どちらかといえば武将寄りの性格、じゃなくて無精な性格をしている私だが、便利過ぎることが、負けを認めたみたいなのでとても悔しいのだ。

釣りだったらエサ釣りよりもルアーを選びたい。魚取りという行為なら投網よりも釣りを選びたい。

なんだこのズームレンズは。カメラを構えて、 70 mm だとフレーミングが物足りないから、微妙に拡大して 105mm でピントを合わせてカシャって……

便利すぎるだろう!

※ 誤解のないよう言っときますが、筆者はズームが初めてのイナカモノではありませんw

NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II を使ってみて

なんとか会の前日、たまたま在庫があったので購入できた。金額のことは考えたくない。貯めてきた 1 年分の小遣いがなくなった。

相変わらずプラマイゼロ付近を漂う生活をしているが、一人暮らしの頃とは違って、所持金ゼロ=食べられないというわけではない。あくまで小遣いの範囲内でのやりくりなので、私の行動範囲が狭くなる、もしくはお金のかからない遊びをするしかなくなるというだけのことだ。そもそも遊びに行く暇がないわけだが。

会の当日は小型の三脚を持って行った。明るくない室内で望遠を多用するので、ぶれないように三脚が必要だったからだ。体力に自信がないから手持ちを忌避したという現実もある。

NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II は NIKON が自信満々に出す大三元レンズの一角だけあって、素晴らしいの一言。素人の写真なのに、なんとなくプロっぽく見えるのだからいいレンズだ。

小型三脚はエレベーターを目いっぱい伸ばして撮影した。不安定な状態だから、慎重に撮ってもおそらくぶれる。だからレンズの VR は ON にして撮った。 SLIK PRO700DX くらい頑丈な三脚なら、むしろ不具合を起こすのでレンズの VR は切った方がいいだろう。

これで所持するレンズは 2 本となり、焦点距離は 58mm と 70-200mm がカバーできるようになったので、次は広角 24mm か 35mm を狙っている。たぶん、同じノクト・ニッコール系の NIKKOR 35mm f/1.4G を買うことになるのではないか。何年後になるだろうか。そしてその頃は、山に行く暇ができているのだろうか。

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