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Bloody Mary 別館

ダッチオーブンでスモーク

ダッチオーブンで熱燻

Wild-1 の千円商品券の使用期限が 2 月末で切れるため、スモークチップを購入してきた。とりあえず、無難なヒッコリー × 2 に、桜チップ × 1 で \1,300 くらいである。

今回燻すのはロシア産超辛口の鮭 2 切れ、生食用の鯨、オーストラリア牛ももブロックの 3 点。いずれも 500円以上の (私にとってはかなりの) 高額食品である。鯨・牛はともかく、鮭が何でそんなに高いのか理解に苦しむ。

さて、肝心のスモークだが、あらかじめ食材に塩を振っておく必要があるらしい。というわけで、塩を振る必要のない超辛口を選んだわけだ。これですぐにでも燻せる。

鮭を軽く乾燥させている間に、ダッチオーブンにアルミを敷き詰め、プレヒートする。

ついでに蓋もプレヒートしておく。火を止め、ヒッコリーのチップをアルミホイールの上に敷き詰める。金網の足が低いので、アルミホイールを丸めて四隅に配置し、その上に金網を置いた。なるべく熱源から離し、火が通り過ぎるのを防ぐ作戦だ。

金網の上には 2 切れの鮭。蓋をして、弱火で 1 時間ほど燻してみた。ときおり蓋を持ち上げ、チップの焦げ付きを確認しつつ、水蒸気を飛ばす。

1 時間後、思惑は外れ、鮭にはしっかり火が通っていた。見た目はただの焼き魚である。香りは思ったほどでもない。最初だから燻し加減が分からなかったのだ。

ラップに包んで、一晩冷ます。

食べてみた。うん、塩辛い。これぞ超辛口。スーパーソルトオーバーフローサーモン ( 塩があふれる的なニュアンス ) の名を冠するに相応しい。って高血圧で死んじゃうだろ。 1 切れの半分でご飯一膳いった。味は薫る焼き魚といったところ。

鯨・牛

次に、鯨肉を塩で揉み、乾かしておいた鯨を同じように燻してみる。今度こそ熱が上がりすぎないよう温度に気をつけて、弱火で 1 時間ほど燻して完成。鮭よりも香りが乗ったようだが、まだ弱い気がする。

一晩冷ます。

お次は牛肉。塩で(略

牛肉ももブロックは保有水分量が多く、中まで火が通りにくいと予想される。ときおり蓋を開けて煙の様子を見つつ、蒸気を逃がしてやる。煙が立っていなかったら強火にして、上がり始めたら弱火に戻す。 3 時間ほど燻しただろうか。

一晩(略

右が鯨で左が牛。

鯨スモークは、表面に油が固形化していた。燻されたときに出た油が表面で固まったのだろう。サラミみたいでこれもまた良し。味は、鯨。紛うことなき鯨。これは美味い

牛スモークの味は、ローストビーフのような、ビーフジャーキーのような、中間的な味。これもまた、美味い。手間はかかるが、ビーフジャーキーの単価に比べればかなりのお得感がある。

ことのほか燻製が気に入ってしまった私は、調子に乗って鯛の切り身を買ってきた。

どうにも燻しが足りない気がするので、燻製法を良く考えてみる。燻しが足りないと思ったのは、食材に火が通った以上の変化が少ないからだ。モア・スモーク。もっと煙を。

試しに Google 先生で検索してみると、燻された魚は、黄金色に輝いている。まあ、ダッチオーブンは熱燻という方法なので、そういう色がでないのかもしれないが。

燻製法

燻煙法 詳細
熱燻 80度以上の高温の煙で 1 時間ほど燻す。
食材は加熱調理される。
温燻 30 ~ 60度の煙で数時間~ 1 日ほど燻す。
一般的な燻製法で、保存性も高い。
ベーコン、スモークジャーキー等がある。
冷燻 15 ~ 30度の煙で 1 ~ 4 週間ほど燻す。
生ハム、スモークサーモン等。

by Wiki

ではどうするか。食材に長い時間煙を当てつつ、ダッチオーブン内の温度が上がり過ぎないようにしたい。ダッチオーブンは、その性質上、密閉空間を高速振動している水分子が飛び交うことになる。これが食材に火を通しすぎる原因だ。だからといって蓋をしないと部屋の中が煙でものすごいことに。できれば、ダッチオーブンと蓋の間に、ダンボールを挟んでおきたいところだ。ダンボールが余計な水分を飛ばしてくれそうだし。ということは、巷で言われるように、ダンボールでスモーカー作ればいいんじゃ……

ま、まあ、それはちょっと保留。とりあえず、手軽な感じで試したい。

おもむろにアルミを敷いたダッチオーブンをプレヒート。丸めたアルミで高さを増した金網をセット、スモークチップを散らし、強火で熱し続ける。このとき、蓋も軽くプレヒートしておく。ちなみに蓋を熱しておくのは、燻しているときに蓋に付着する水蒸気を飛ばすためだ。冷たいままで蓋を使うと、タール分たっぷりの水滴が、食材に降り注ぐことになる。まあ、蓋はフライパン代わりに使えるよう、真ん中が若干へんこんでいる (蓋した場合は盛り上がっている、というのかな) ので、うまくすれば食材の外側に滴り落ちてくれるかもしれないが。

アルミを敷いているので、強火で 5 分くらい熱し続けないとなかなか煙が立たない。アルミの凹凸が空気の層を含んで、断熱しているせいだろう。アルミを使わなければ、オーブンの熱も上がり過ぎずに燻せそうなのだが。かと言って直にチップを敷くのは、ダッチオーブンのメンテのことを考えると厳しいものがある。まあ、そのうち、試してみよう。

煙が立ってきたら火を止め、食材を金網の上に乗せる。蓋をして 10 分程度待つ。最初は水分を飛ばしたいので蓋を開ける間隔を短くした。

蓋を開けてみて、蒸気と煙の具合を確認する。 10 分もすれば煙は立っていないと思うので、蓋を開けたまま強火で加熱。また煙が立ってきたら、火を止め、蓋をして 20 分程度待つ。これを数回繰り返す。

えーと、かつお節かな?

これは ( 煙が ) 凄い乗ったな。思いの他スモーキー。粗熱と一緒に不安な感情を一晩冷ましてみる。

次の日。うん、タールっぽい。食えなくはないが、牛・鯨のような美味さが感じられない。

ダッチオーブンで魚の燻製を作る場合は、熱燻で短時間スモークがいいかもしれない。

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