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SSD 3 台で RAID0 のパフォーマンス

ヘルプ要員への誘惑

先月のことだ。

ある部署でシステム担当が辞めてしまい、サーバ更改のためにヘルプに行くことになった。

サーバどころかネットワーク仕様も何も分からない状況の中、手探りでこんなもんだろうと適当にサーバを構築w

Active Directory から WSUS、ウィルスソフトのサーバ、 WEB、ファイルサーバなどのめんどくさいサーバアプリを設定して一段落ついたある日 (※1)、 SSD を 2 台購入した。

※1 仕様の引き継ぎがない状況でのサーバ構築

全部終わったからこれで済んでいるが、本来、笑って済ませられるような話ではない。

PHP のバージョンアップによるコード修正とか、ファイル数が膨大でえらい大変だったし。 2 人のヘルプ要員とともにローラー作戦で当たった。

事の起こりは新しく入ってきたシステム担当が「最近の SSD は凄いらしいですよ。昔は寿命とか気にしなければならなかったんですが、今売ってるのは安い SSD でも使い切れないくらいの読み書き耐久性があるらしいです」とのたまった言葉だった。

ちなみに彼は 3 画面モニタでダライアスもできますというほどの重度のゲーマーだった。バトルフィールドとかやってるらしいが、それがどんなゲームかは知らない。

3 年前に PC を組み立ててから情報が停滞していた私は、その言葉に衝撃を受けて PC への投資を考えるようになった。もちろん、財政的な余裕はいつもの如くあまりないので、多くて 5 万以内に抑えるつもりだった。

さて、今回の PC ビフォーアフターの目的だが、一番の理由は前述の通り SSD の高速化にある。そしてもう一つは、私が唯一嗜む Skyrim というゲームのためにグラフィックボードを新調することにあった。

私の所有する DELL のモニタの最大の解像度は WQHD (2560×1440) で、広い画面で作業できるところが気に入っている。

ただし、その画面で Skyrim をしようものなら、 ENB (CG を飛躍的に向上させる MOD) なんていれられないし、ちょっとしたハイレゾテクスチャを入れようものならグラボのメモリ使用率が跳ね上がって CTD (ゲームが強制終了してデスクトップ画面になってしまうこと) の確率も上がってしまうので、そこそこ綺麗なテクスチャを部分的に導入してゲームを楽しんでいた。 (※2)

※2 Skyrim をハイレゾリューション化

Skyrim のバニラ (デフォルトの状態) では 512 か 1K のテクスチャが使われているが、公式 DLC (ダウンロードできるコンテンツ) や有志が提供する MOD では 2K や 4K のテスクチャが使われており、それらをインストールすることでゲームをハイレゾ化することができる。

ハイレゾ化すれば美しい CG になるが、その分グラボのスペック (特にメモリ) が必要になる。

もっとも、私の場合はゲームをやっている時間より、新規ゲームを始める際の環境構築をしている時間の方が圧倒的に長いわけだが。しかも途中までやって放置のパターンが全てで、一度もクリアしたことがない。最近はとみに忙しいこともあって、ゲーム、環境構築ともにまったくやれていなかった。

だが、 PC 性能厨が発症してしまったために、 Skyrim への情熱も蘇ってきた。ここは久々に PC をカスタマイズしてあげようじゃまいか。

SSD と SSD x 3 (RAID0) のベンチマーク

2012 年 10 月 に SSD を購入し、 3 年弱ほど Windows ドライブとして利用してきた。

そのときのベンチマークは以下のようなものだった。

Test Read Write
Seq 265 MB/s 204 MB/s
4K QD32 88 MB/s 63 MB/s

そして今回 Samsung SSD 850 EVOシリーズ 120GB を 2 台購入 ( \8,480 x 2 )して、 3 年ほど C ドライブで使っていた Intel 510 SSDSC2MH120A2K5 120GB と合わせて 3 台で RAID0 を組むという暴挙に出た。

SSD の経年劣化なにそれ美味しいの?

マザーボードはノーマルの P7P55D で、オンボード RAID で RAID0 を構築している。後述するが、新調したグラボの関係で PCIe のスロットが 3 つ消費されて ASR-2405 がつけられない。
(T-T)

というわけでオンボード RAID でベンチマークを取ったのが以下だ。

Test Read Write
Seq 709 MB/s 626 MB/s
4K QD32 265 MB/s 191 MB/s

Seq と 4K QD32 (※3)で約 3 倍のスコアが得られた。

※3 ベンチマークのテスト項目

Seq は連続したデータを読み書きする性能で、 4K は 4K 単位のファイルの読み書きを測る性能だ。

通常の HDD/SSD の速度は 4K の能力に比例する。さらに言えば NCQ (Native Command Queuing) によって向上する 4K QD32 のスコアに依存する。

ということは、 4K QD32 の性能が HDD/SSD の性能ということになる。もちろん、キャッシュを考慮する必要はあるのだが、 4K QD32 を見ておけば間違いない。 SSD によっては 4K のスコアと変わらないことがあるが、そういう場合は NCQ の機能がない、もしくは働いていないディスクだ。

この結果には非常に満足している。

といっても SSD は 1 台でも十分に速いこともあって、体感的な速度はあまり感じられないわけだが……

「でも起動が早くなったんでしょう? 良かったじゃない」という意見もありそうだが、答えはノーだ。 P7P55D の BIOS でオンボード RAID の機能を有効にしたこともあって、 BIOS チェックが終わる時間が長くなった。おそらく、起動時間は SSD 単体の頃よりも遅くなっている。

RAID のポートチェックは時間がかかるものなのだ。その代わり、いったん起動してしまえば我慢した以上の気持ちよさがあるところが癖になってなかなか止められない。

もう一つ補足しておくと P7P55D の SATA2 の速度は 3 Gb/s。今はやりの SATA3 は 6 Gb/s。マザボ を 6 Gb/s 対応のものにすることで若干の性能向上が見込まれる。ただし、もはや投資できるだけの余裕はない。

更に補足すると、 SATA2 の上限速度 3 Gb/s は 375 MB/s と同じだ。 seq あたりのスコアは完全に振り切っているように見えるが、実際は 3 ポート使っているから、 1 ポートあたり 236 MB/s の速度 (seq の Read) ということになる。 SATA2 の上限が 3 Gb/s とは言うが、実行速度で 300 MB/s くらいだろうからまあいい線いってるのではないだろうか。

ここで気になってくるのは、ドライブ 3 台の RAID0 ではないだろうか。つまり、 SSD 1 台の頃に比べて、障害が発生する確率が 3 倍になっている。これをどのように回避して精神の安定を図るのかが重要になる。

結論から言えば、 1 台の HDD をバックアップ用のドライブに割り当てて、障害発生時には潔く OS を再インストールする。これに尽きる。

4 台の HDD で RAID10 を組んでいた頃、 2 台同時に壊れない限り大丈夫だとか思っていたら 2 台同時に壊れて復旧できなかった。

また、最近まで SSD を使っていて 1 週間単位でバックアップを取っていたのだが、 RAID0 のドライブにデータをコピーして起動するとブルースクリーンになった。 RAID のドライバも入っていないだろうし、そもそも環境が違うから当然とも言えるのだが、私にとって RAID の再構築、バックアップからの復旧は鬼門に近い。一度たりとも成功した試しがない。

OS の HDD イメージを取って、別の SSD に展開とかはたまにやるが、そういうのとも違う。

システムディスクが壊れた場合、人はそれをきっかけに性能の向上を企てたがるものなのだ。人間には、現状以下の水準を耐えがたく思う性質があるからだ。そして大抵失敗に終わるのはお約束である。

そんな時、バックアップさえ取ってあれば、データさえ無事ならば被害は少ない。いや、ないも同然であると自己暗示をかける余裕すらある。そうなってくると、ディスクはおろかマザーボードの交換に踏み切る余裕すらうかがえる。グラボの交換なんて軽い軽い。今度は 4 台で RAID0 をやれてしまうかもしれない。そして思うのだ。データが無事だったから、ま、いいか、と。

人は妥協する生き物だ。

グラボ選定

2010 年 3 月に GALAXY GeForce 6600GT AGP 128MB-128bit Dual-DVI が壊れて ASUSTeK ENGTX260 ( GeForce GTX 260 ) を購入した。

GTX260 に搭載されたメモリは 2GB 。Skyrim に環境 MOD を入れる度にグラボのメモリ使用量が増え、 FPS (※4) が減ってしまい、テクスチャを圧縮したり使っていない MOD を外したりと涙ぐましい努力をしてきた。

※4 FPS : Frame Per Second

動画のなめらかさ。ゲームが快適に動く目安。 60 あれば最高で、 ENB をいれたりハイレゾ化をすることでどんどん下がっていく。

敵がいっぱい出現したり、小物が吹っ飛ぶことでもエンジンに負荷がかかって FPS が減る。

現行グラボのメモリが 2GB で足りないから、 3GB 以上のグラボが求められる。

というわけで最近の製品を探してみると GeForce 系の Palit GTX970 が \41,000 で売られていた。 SSD との合計額が \58,000 になって、当初の \50,000 という予算を若干オーバーしてしまうが、 3GB のグラボを買って後悔するより、末永く使えそうな 4GB を購入することにした。

なお、 GTX970 は PCI Express x16 (3.0) の規格だが、 P7P55D のインターフェースは PCI Express x16 (2.0) であるので、最高の性能を発揮できないが気にすんな。 Skyrim 程度じゃそれほどの処理能力は必要ないと思う。要はメモリさえあればいいのですよ。

そして P7P55D に GTX970 をはめてみると 3 段分の PCIe (PCI じゃない!) スロットが消費されることに気づいて涙目に。利用できる PCIe スロットがなくなり、手持ちの RAID ボードも USB3 ボードもつけることができなくなって衝撃を受けている。 USB3 が使えなくなったのが痛すぎる……

その後

OS をクリーンインストールしてとんでもない時間をかけて Windows Update を終わらせた。

最低限のセキュリティソフトを入れ、バックアップから Skyrim の Mod データを復元。それはそれとして Skyrim をインストール。 Mod を管理する Mod Organizer を入れて、一から Mod をインストールし直している。

7 月末時点での構築はおよそ 7 割と言ったところ。

PerMa という Mod が使いたいので、日本語化 esp ファイルを別フォルダに展開したり、関連 MOD を入れたら別の関連 MOD を入れる羽目になって、さらに別の推奨 MOD とかもいれることになり、一向に環境構築が終わらない。

1 ヶ月経ってもやれてねえよ……

Updated: 2015/7/29 水曜日 — 17:52:15

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