特に何を訳でもなく、Windows 7 の起動が遅くなってしまった。
いやいや、分かってるよ?
「何もしてないのに壊れた」等と言うつもりはないのだ。何かしたから不具合が発生しているはずなのだし、いらんものを外せば元に戻るのだろうと、安易に考えていた時期が私にもありました。
OS 起動後が超重い
私のパソコンは BIOS の起動に時間がかかる。何のつもりか知らないが、電源を入れてから BIOS チェックが終了するまで 1 分かかる。 OS が起動し、ログインが出るまでなら 90 秒だ。
RAID ボードの Adaptec 2405 を入れているので仕方がないのだが、 RAID 10 (4台) の速度と安心感にはかえ難い。
起動するまでの時間の内訳
- RAID ボード Adaptec ASR-2405 の BIOS チェック 40 秒
- M/B ASUS P4P800-E DELUXE の BIOS チェック 20 秒
- Windows 7 の起動 30 秒
先日のことだ。
PC の電源を入れ、カップラーメンを作ってモニタの前に戻った。ログイン画面になっていたのでパスワードを入力し、デスクトップの表示を待っていると、やけに時間がかかる。
しばらく待つとデスクトップの画面が立ち上がりかけたかと思いきや、壁紙が真っ白だった。 1 分程経ってから表示された。
どうやらかなりの負荷がかかっているようだ。また Fuckin’ UPDATE が悪さしてやがると悪態を吐いていたら、いつまで経っても負荷が減らない。アイコンをクリックしても反応がないのだ。アプリも起動しない。もはや通常の動作ではない。
これはおかしいと思ってタスクマネージャを起動させた。もちろんタスクマネージャの起動にも時間がかかる。
Windows Update の更新プログラムが一番怪しい。Update 前に確認を取ることにしているが、通常はそのままインストールする。たぶんそれだろうと。
次に怪しいのは AVG のウィルススキャンソフトか、 Comodo Firewall の Update 不具合。常駐系アプリではこれくらいか。
最悪なのが、ワームやウィルスがバックグランドで稼動して、データの送信に勤しんでいる場合だ。
しかしこれは考えづらいと考え直した。メールはウェブメールのみだし、知らない奴からの添付ファイルなんて開かない。間違って解凍したとしても、 AVG がせき止めてくれる。
それとも、ネットからダウンロードしたファイルが感染していたのだろうか?
いや、ダウンロードするのはほぼ Vector。ウィルス感染がないとは言わないが、可能性は低い。
ではソフトの競合か?
最近インストールしたのは、星野写真の木星を特定するのに使ったステラナビゲータの体験版くらいだ。それ以外はない。
そもそも環境を弄るのが好きではない。 OS のクリーンインストール後に必要なアプリを入れて、あとはそれらをバージョンアップするくらいだ。今までは正常な動作をしていたし、それらが競合したとは考えづらいのだが。とりあえずステラナビゲータは削除する。どうせ期限切れで使えなくなるし。
タスクマネージャが起動したので、全てのプロセスを表示させた。動画エンコード中もこんなに重くならないだろうと言うほど動作がもっさりしている。全てのプロセスから CPU 使用率が高いものを探そうとしてソートをかけた。並び替えにもいちいち時間がかかる。
CPU 使用率が高いものはなかった。具体的には System Idle Process が 99% くらい。
メモリ使用率も少ない。強いていうなら AVG や Comodo Firewall がややメモリを使っているが、ログを取ったりしているので仕方ない。というか、 Corei7 の CPU でそんなアプリが重くなるわけない。
IO読み込み、IO書き込みも特に激しくはない。まあ AVG の読み込みがやや高めだが、それでも 20MB くらいか。
とりあえず、怪しいと思われるプロセスを終了させてみた。CPU 使用率が 0% であっても容赦なく終了させていくが、状況は変わらず。
どうやらハード的な不具合のようだ。むむむ、経費が発生する予感がする。
メモリの不具合を疑い、 Windows7 標準搭載のメモリチェックをした。ファイル名を指定して実行に「メモリ」と入れて出てくるやつだ。しかしこれも問題ない。
だとすると HDDか?
RAID ボードの BIOS チェック時に表示される 4 台の HDD リストの Smart エラーは、全てが N だ。つまり、故障 = No。そのはずなのだが、念のため管理画面に入ってみた。
RAID アレイ復旧への道
1. RAID アレイの確認
おもむろに PC を再起動する。
BIOS 起動中に CTRL + A で Adaptec ASR-2405 の BIOS ユーティリティに入る。
「Array Configuration Utility」から「Manage Arrays」を選択。
PC は RAID10 (4台) を組んでるから、
1. 1 台目と 2 台目の HDD で RAID1 (Mirror)
2. 3 台目と 4 台目の HDD で RAID1 (Mirror)
3. 上記アレイを 2 台の HDD に見立てて RAID0 (Stripe)
とりあえず 1 つ目のアレイ #255 を見た。
うん、壊れてるw
Array #255 : Base Type : Raid1 Array Size : 931GB Array Status : Degraded (劣化)
どうやら 2 台目の HDD が不具合っぽい。なんかグレーアウトしてるし。
2. HDD 2 台目の初期化
「Array Configuration Utiity」を選択し、「Initialize Drives」を選択。
「Insert」キーをで 2 台目の HDD を選択し、 Enter キーを押す。警告が出るが、構わずに進む。
※ 通常は勝手に REBUILD (再構築) が始まるはずなのだが、この RAID ボードでは初めての作業ということで、手動設定している。
3. 復元後の動作
6 時間くらいで復元が終わった。
Array #255 : Base Type : Raid1 Array Size : 931GB Array Status : OPTIMAL (最適)
そのまま OS を起動する。立ち上がる直前で「復元がどうたら」と出た。とりあえず復元して再起動。
今度は RAID ボードのメッセージが出た。 Enterで BIOS ユーティリティに入ると、
Array #255 : Base Type : Raid1 Array Size : 931GB Array Status : OPTIMAL (最適) Array #254 : Base Type : Raid1 Array Size : 931GB Array Status : Degraded (劣化)
3 台めと 4 台目で RAID1 (Mirror) を組んでいるアレイ #254 が壊れているようだ。
HDD 故障の可能性が高くなった気がする。
自動的に REBUILD が始まった。このアレイの再構築は速くて、何故か 2 時間くらいで終了した。
4. アレイ #255 / #254 再構築後の動作
今度は普通に OS のログイン画面まで行った。ログインしてみると、前よりましになっていた。とは言え、重い。
再起動し、 RAID の BIOS 画面に入ると、今度は #254、 3 台目の HDD がグレーアウトしている。再構築も始まらず、 HDD がアレイに組み込まれない。
試しに 3 台目 HDD の 電源を抜いて OS 起動すると、問題なく動く。アプリ起動も速い速い。
どうやら 3 台目が故障しているっぽい。 2 台目も怪しいのだが、この際考えないことにする。
RAID は Western Degital の WDC WD10EADS-00M (1TB) 4 台で組まれている。しかし既に廃盤だから、別の HDD を購入する必要がある。
ドスパラで Seagate ST1000DM003 (SATA3 1TB) を購入してきた。 2 台で \11,360 円なり。以前の半分くらいの値段で購入できた気がする。今は 4TB が 2 万くらいで買えるし、時代はどんどん高容量化してきている。
2 台購入してきたのは、アレイを組むときは同じ HDD セットでないと気持ちが悪いから。正常な 1TB の HDD は、保存用に使おうと思っている。
5. アレイ #254 再構築
3 台目の HDD が壊れているはずなので、 Western Degital を Seagate に付け替える。
そして始まる PC 掃除。外せるものは全て外し、ファンに溜まった埃をエアダスターで吹き飛ばす。気分は年末だ。
CPU クーラーまで外し、乾いたグリスを塗りなおそうと思ったらグリスがなかった。グリス塗らないとどうなるんだろうと思って、 PC 立ち上げて BIOS モニターで CPU 温度をチェックしたら、 100 ℃近くなってあわてて電源を落とした。
やっぱ塗らないとダメらしい。またショップに行って、グリスと、エアダスターをもう一本購入。
今度は 60 ℃だったので一安心。
いよいよ 3 台目と 4 台目の HDD で組んでいるアレイ #254 の再構築だ。
手順としては、
- 3 台目 HDD (Western Degital) を 新しく購入した Seagate と入れ替える。
- 4 台目からデータが移植 (REBUILD) される (6時間)。
- 4 台目 HDD (Western Degital) を Seagate と入れ替える。
- 3 台目 HDD (Seagate) から 4 台目 HDD (Seagate) にデータが移植される (6時間)。
正常な Western Degital (1TB) が一つ余るので、何なら怪しい 2 台目の HDD と入れ替えてもいいだろう。
2 回再構築しなければならないので 12 時間くらいかかるかと思いきや、 6 時間程度で終了した。
再構築後の動作は、 OS の起動まで 90 秒、不具合はなくなった。
アプリ起動も軽いし、様子を見ることにしよう。