PerMa パッチの日本語化
前回の記事で PerMa のパッチを作成するための環境を切り替えられるようにした。
設定の手順は煩雑で面倒ではあったが、労力としてはそれほどでもないと断言する。 MOD の環境構築に 1 ヶ月かかろうが、 PerMa パッチが上手く作れなくてプロフィール作成に 1 週間を費やそうが、携わった作業時間としてみれば大したことはないのである。
問題は PerMa で作ったパッチ PatchusMaximus.esp の日本語化の方だ。
一般的な PerMa 必須 MOD の CCF / CCOR / WAFR にオプションの Wintermyst。
アイテム系 MOD の Immersive Armors / Immersive Weapons / Unique Uniques / Cloaks of Skyrim / Winter is Coming / Frostfall / Hunterborn / Regal Huntsman Armor / Improved Closefaced Helmets。
それらに 2 ~ 3 の MOD (詳細は忘れた) を加えただけで 20 MBytes 超のパッチが出来上がる。
翻訳用 XML ファイルなら 3 MBytes にはなる。これを延々と日本語化していくことに比べたら、 PC まかせの作業に時間がかかるのは苦痛と言わない。
サイコロの旅はツラくなかった。真にツラいのは東京ウォーカーやジャングル・リベンジだ! (乗り物に乗っていれば目的地に着くか、自らの足で歩かなければ終わらない旅かの違い)
とは言っても、パッチに組み込んだ翻訳用 XML ファイルで半分くらいは日本語化できる。楽できるところは楽をしよう。それが面倒な作業であったとしても、美しい Skyrim のためなら耐えられる。
PatchusMaximus.esp 日本語化手順
1. XML ファイルの加工 (Reforged / Warforged)
PerMa の鍛冶スキルでは、既存のアイテムを鍛え直したり、戦で練り上げたりしてw 強化することができる。
例えば Ebony Shortsword というアイテムがあったとしよう。 PerMa でパッチをつくるとこのアイテムは Ebony Shortsword / Reforged Ebony Shortsword / Warforged Ebony Shortsword の 3 種類になる。
これが日本語化を非常に面倒なものにしている PerMa の仕様だ。
少しでも楽をするために、翻訳用 XML ファイルに小細工をする。
WAFR という MOD の日本語化ファイルを例にしてみよう。
Weapons & Armor Fixes_Remade_english_japanese.xml を Terapad などのテキストエディタで開くと、以下のような構造になっている。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <SSTXMLRessources> <Params> <Addon>PatchusMaximus.esp</Addon> <Source>english</Source> <Dest>japanese</Dest> </Params> <Content> (ここに各種アイテムの翻訳) (中略) </Content> </SSTXMLRessources>
Q. あるアイテムはこんな風に書かれているが、
<String List="0"> <Source>Riften Guard's Armor</Source> <Dest>リフテン衛兵の鎧</Dest> </String>
以下の項目を増やしたい場合どうすれば良いか。
<String List="0"> <Source>Reforged Riften Guard's Armor</Source> <Dest>鍛え直したリフテン衛兵の鎧</Dest> </String> <String List="0"> <Source>Warforged Riften Guard's Armor</Source> <Dest>戦で練り上げたリフテン衛兵の鎧</Dest> </String>
答えは単純にして明快。
<Content> (ここの項目をコピー。ここでは仮に WAFR アイテムデータと称する) </Content>
テキストエディタのウィンドウをもう一つ開いて、WAFR アイテムデータをコピー&ペーストする。
そして以下の内容で置換する (2回分)。
置換前の文字列 | 置換後の文字列 |
---|---|
「<Source>」 | 「<Source>Reforged 」 |
「<Dest>」 | 「<Dest>鍛え直した」 |
※ カッコは含まない。Reforged の後のスペース注意。
置換したものをオリジナルのファイルに XML 構造を崩さないよう貼り付ける。
続いてもう一回分、 WAFR アイテムデータの内容を用意し、以下のように置換する。
置換前の文字列 | 置換後の文字列 |
---|---|
「<Source>」 | 「<Source>Warforged 」 |
「<Dest>」 | 「<Dest>戦で練り上げた」 |
これでノーマルと、鍛え直したアイテムと、戦で練り上げたアイテムを日本語化することができる。関係ないアイテムどころか説明文ですらも Reforged / Warforged 化する頭の悪いやり方だが気にした方が負けである。
で Weapons & Armor Fixes_Remade_english_japanese (Reforged Warforged).xml という名前で保存する。
2. TESVTranslator を立ち上げる
PatchusMaximus.esp を読み込ませる。日本語化されてしまったものは CTRL + F4 を押して破棄した方がいいかもしれない。が、そのまま日本語化の作業を続けてもいいのかもしれない。私は破棄してやった。
[オプション] – [Utf8] の両方にチェック。
[XML] – [XMLファイルから翻訳をインポートする] を実行し、 Weapons & Armor Fixes_Remade_english_japanese (Reforged Warforged).xml を読み込ませる。
日本語化された項目に関しては、複数行選択してから右クリックして、「確認済み翻訳に設定」する。こうすることで、次に XML ファイルをインポートしたときに、確認済み翻訳以外が日本語化される。
[STRINGS] のタブだけじゃなくて [DLSTRINGS] も翻訳されるので、上記作業を忘れずに。
1 に戻って CCF / CCOR / Immersive Armors / Immersive Weapons / Unique Uniques / Cloaks of Skyrim / Winter is Coming などのアイテムが絡んだ MOD の XML ファイルを Reforged / Warforged に対応させて、 2 の作業繰り返す。
私の場合、以下のものを読み込ませた。
- Clothing & Clutter Fixes_english_japanese.xml
- Complete Crafting Overhaul_Remade_english_japanese.xml
- Hothtrooper44_ArmorCompilation_english_japanese.xml
- Chesko_Frostfall_english_japanese.xml
- Hunterborn_english_japanese.xml
- Immersive Weapons_english_japanese.xml
- PatchusMaximus_english_japanese.xml
- PerkusMaximus_Mage_english_japanese.xml
- PerkusMaximus_Master_english_japanese.xml
- PerkusMaximus_Thief_english_japanese.xml
- PerkusMaximus_Warrior_english_japanese.xml (翻訳されなかったような)
- Weapons & Armor Fixes_Remade_english_japanese.xml
- Wintermyst – Enchantments of Skyrim_english_japanese.xml
3. 武器の分類名を削除
PerMa のパッチを作ると、アイテム名に [Arming Sword] や [Broadsword] の記述が入ることがある。
具体例を出すと、本来「Nordic Sword」と表示されるアイテム名が「Nordic Sword [Arming Sword]」になっていたりする。
この余計な文字があると XML のインポートが上手くいかない。というわけで、 TesVTranslator でこれらの文字を置換し、削除する。
以下の文字列を削除。
最初にスペースが含まれるので注意。例によってカッコ「」は含まれない。
- 「 [Arming Sword]」
- 「 [Broadsword]」
- 「 [Bastard Sword]」
- 「 [Dagger]」
- 「 [Greatsword]」
- 「 [Katana]」
- 「 [Longsword]」
- 「 [Nodachi]」
- 「 [Sabre]」
- 「 [Scimitar]」
- 「 [Shortsword]」
- 「 [Tanto]」
- 「 [Wakizashi]」
- 「 [Shortbow]」
- 「 [Longbow]」
- 「 [Hatchet]」
- 「 [Battleaxe]」
- 「 [Waraxe]」
- 「 [Club]」
- 「 [Mace]」
- 「 [Warhammer]」
- 「 [Spiked Mace]」
- 「 [Partisan]」
- 「 [Battlestaff]」
4. PatchusMaximus.esp を開き直し
いったん PatchusMaximus.esp を上書き出力する。
esp を閉じてもう一回開き直すと、原文から [Arming Sword] の文字が消えていることが分かる。
この状態でもう一回各種 XML ファイルをインポートすると、いくつかのアイテムが日本語化される。
ここでまた esp を上書きしておこう。
5. ローラー作戦
ここから先は根気のいる作業になる。
日本語化できなかった項目を一つ一つ日本語化していくわけだ。
日本語化されたものは「確認済み」にして「未訳」だけを表示させるようにすると作業がしやすい。
泣きたくなるのが Wintermyst の付呪の種類だ。何と 500 種類くらいの付呪がある。つまり、一つのアイテムが最悪 500 種類にもなってしまうわけだ。
Excel に付呪リストとアイテムリストのシートを作って、マクロで全アイテムを付呪させるという方法もとってみたが、無駄が多い (そのアイテムに 10 個くらいしか付呪されないのに、 500 種類作ってしまう) 上にちょっとした違いで置換されなかったりして、手作業でやることにした。
また具体例を出すと、TesVTranslatorで未訳を全選択し、「 of Lordslaying」を「 (君主殺し)」で置換(選択したものだけ)して、以下略。
武器、防具、装身具、雑貨、そんな感じのものを置換。
そして出来上がったのが 3.33MB の xml (アイテム名や説明文を意訳してるので注意)。
PatchusMaximus_english_japanese(0914)
名称の日本語化に何十時間かかったと思ってるんだ…… Skyrim のゲーム時間なんて、構築する時間に比べたら十分の一以下だということに気づいて、オレたちはシム・スカイリムというゲームをやっているんだ!という事実を目の当たりにしてみたり見なかったり。