自作のポータブルソーラーシステムが完成した。電源としては使えたが、太陽充電の効果は確認できていない。検証は後日。
インバーターの入出力電流の違い
ヒューズやらインバーターやらを組み込む回路を調べていくうちに、インバーターは思ったより電流を消費するのではないかと気づき始めた。
100V / 36W ( 内蔵バッテリーを充電しながら使うとこのくらいの電力消費になる ) の EeePC を DC/AC インバーターで使うケースで計算してみよう。このインバーターは 90% の変換効率を持つものだと仮定する。
以下はあるサイトの計算式だが、 36W の電気機器を使っていると、 3.3A もの電流を必要とするようだ。
インバーター出力電流 = 36W / 100V = 0.36A
インバーター入力電流 = 0.36A * ( 100V / 12V * 0.9 ) = 3.3333A
ちなみに、私が単純に計算するとしたら次のようにする。結果は同じだが、間違っているかもしれない ( 電気回路についての知識は 100‰ ない )。
36W を 12V バッテリーで使うとしたら、
36(W) = 12(V) * x(A)
x(A) = 3(A)
90% の変換効率なので、
y(A) = 3(A) / 0.9 = 3.3333(A)
サイトで見たときは「10 倍にもなるのか?」と心配になったものだったが、数字のマジック。3A と 3.3A では、思ったほどの違いはでなかったわけだが。要はロスの分を 10% 程上乗せすればいいんだよなぁ。
で、ここまでで何が言いたいのかというと、インバーターはバッテリー直結にしたほうが良いってこと。らしい。
その場合、必要以上の電力を使わないように、ヒューズかませておく必要がある。 100W だと 10A くらいのインバーター入力電流が必要になる計算。
私は最大でも 50 ~ 60W 程度使えればいいと考えている。 5A くらいのヒューズをかませておくかな。ヒューズはプラス側にかませておくらしい。
で、いよいよ自作。前ふりが長すぎる。
Do It Yourself
配線する上で、色々と足りないものがあることに気がついた。そして買い足したので、改めて材料を書いておく。
※ 送料込みの値段
商品 | 値段 |
---|---|
RV-15B バケツ | \1,080 |
ATLAS 55B24L 再生バッテリー | \4,600 |
アモルファスソーラーパネル太陽電池 6W | \6,600 |
チャージコントローラー SHS-6 | \6,800 |
バッテリーターミナル | \570 |
ヒューズホルダー & 5A ヒューズ | \273 |
エーモン M271 ダブルコード 0.50 | \510 |
バッテリー直結シガーソケット | \1,029 |
シガーソケット用 DC/AC インバーター | \0 |
シガーソケット用 EeePC 電源 | \0 |
合計 | \21,462 |
あー、当初想定していた金額の倍だ。インバーターは持っていたからいいが、もし買うとしたら \3,000 くらいよけいにかかる計算かな。
当初、シガーソケットはバッテリーから直結しようと思っていた。しかし、購入したシガーソケットに 5A ヒューズが配線されていたため、チャージコントローラーの能力以上の消費電流が流れ、壊れる心配がなくなった。そのため、バッテリー直結はやめて、すべてチャージコントローラーに配線することにした。
何のために一生懸命計算したんだか……
そして出来上がったのが以下の物体。
重心が偏るため、バッテリーはバケツの中心に配置することに。隙間にダンボールとか詰めておけば転がらないんじゃないかと思って、固定用の金具は購入しなかった。給料日直後のはずなのに、もう財布に千円も入っていないのだ。
最終的な配線はこんな感じ。インバーターは使うときだけつなげる感じ。そしてバッテリーからはアースを取らない漢仕様。というか、ラインをバケツの外に引いたとしても、アースできる部分がないわけだが。
ソーラーパネルは最後に届いた。震災で需要が増えたのだろうか。
チャージコントローラーの配線について
上の RVバケツ内の画像の真ん中に、 SHS-6 がある。これがチャージコントローラーだ。
SHS-6 の入出力電流は 6A までとなっている。 7.5A 程度の電流は、何分かは自動で遮断してくれるが、それ以上流れ続けると壊れるし、 7.5A 以上の電流が流れると壊れるという繊細仕様。
というわけで、 5A 以上の電流が流れないように、 5A ヒューズをかませることにする。
SHS-6 の端子が 3 つあることに注目する。
まず、右側のシガーソケット用端子には 5A ヒューズを取り付ける必要がある。
これで、バッテリー → SHS-6 → シガーソケットの回路に流れる電流が 5A までとなる。つまり、真ん中のバッテリー用端子にヒューズを取り付ける必要はなくなったわけだ。
正確には、ソーラーパネルからの電流も考えなければならないが、シガーソケット側に 5A ヒューズかませてるから、入力電流 ( ソーラー+バッテリー ) と出力電流 ( シガーソケット ) が 5A を超えることはない、と思う。
まさか、入出力電流の合計が 6A 以上で、チャージコントローラーが壊れるっていう仕様ではないよな……
最後に、左側の端子。これはソーラーパネルからの充電用電流が流れ込んでくる。
今回購入したソーラーパネルは、最大 1A もいかないくらいの電流しか流れ込んでこない。しかし、将来ソーラーパネルを複数並列に並べたとき、 6A 以上の電流が流れ込んできて、チャージコントローラーを壊す可能性がある。そのために 5A ヒューズを取り付けた。現段階ではまったく無用の長物なので、なくてもいい。
最後に、バケツ右上に小さな穴を開けてある。ここからソーラーパネルの線を引き込むわけだ。チャージコントローラー左側の端子から延びているラインの先端は、クリップになっている。ソーラーパネルの先端もクリップになっているので、これを外せばバケツ単体で持ち運びできる。釣りに、キャンプに、夜空の撮影に、活躍してくれるだろう。
充電能力の確認
バッテリーの電圧を測ったところ、 12.54V だった。チャージコントローラーのランプは、真ん中の黄色を示している。説明書を読むと、バッテリー残量が半分くらいとのこと。フル充電にならないと測定データが取れないので、検証はまだまだ先になりそうだ。
とりあえず、日中ベランダに放置して、 1 日でどのくらいの充電ができたか、夜に電圧を測ってみようと思う。
シガーソケットとチャージコントローラーの LED が微量に電力を消費しているが、自己放電の誤差の範囲くらいの消費のはずだ、と思っておくことにする。細かく考えすぎるのは、精神衛生上よろしくないのである。
※ 何気なく朝、電圧を測ってみたら、 12.58V で、チャージコントローラーのランプはフル充電を示す緑になっていた。
朝日で充電完了したのだろう。っていうか、SHS-6 のランプ状態が微妙すぎないか。
バッテリーについて調べてみた。
バッテリーの電圧についてのまとめ
バッテリーの電圧を測ることで、どの程度の容量が残っているかを知ることができるようだ。
バッテリー電圧 | 状態 |
---|---|
~ 10.5V | 直ちに使用停止 |
10.5V ~ 11.5V | 充電が必要 |
11.5V ~ 12.5V | 良好 |
12.5V ~ 12.8V | 満充電 |
12.8V ~ | 過充電ぎみ |
チャージコントローラー SHS-6 の仕様は、負荷遮断電圧 11.5V、負荷再接続電圧 12.6V となっている。
ということは、バッテリーの電圧が 11.5V 以下になると、自動的に負荷電圧用の端子からの出力を遮断してくれるわけだ。そして、バッテリー電圧が 12.6V にならないと、電力利用はできないはずである。
ということが分かったので、これで検証できるな。
※ 夕方計ったら 12.65V になっていた。